カルヴァドスと、シードル(2)

カルヴァドスと、シードル(2)

■カクテルは、常に奥深いリキュールの世界への良き案内者である。

カルヴァドスは香りを楽しむお酒なので、常温でブランデーグラスのように口が小さくなっているグラスが最適。ブランデーグラスは手のひらで温めることで香りが強くなり、また、口が小さくなっているから香りをより楽しむことができる。度数が高くストレートで飲めない場合は、常温のミネラルウォーターで加水したら飲みやすくなる。

熟成3-5年の若いのも20年以上のも、どちらもそれぞれの味があっておいしいので、2千円~2万円台(700ml)のどれでも楽しめる。カルヴァドスの種類は30くらい。20年以上熟成されたカルヴァドスは少量をグラスに注ぎ火をつけ、グラス内に香りを充満させた後、捨ててから注ぎ込む。

そうすることでカルヴァドスが目を覚ます。開栓したばかりで揮発性の臭気が気になるなら、1週間ほど置いてから飲むか、グラスに注ぎ、軽く火をつけて臭気を飛ばす。味に角があれば2,3ヶ月寝かせておく。熟成年数で飲み方も変わってくるけれど、若ければベースとして、熟成されていればそのままでいいかも…。

☆オンザロック、ストレート、ジンジャーエール割り、
☆トニック・ウオーター割り、りんごジュース割り、お湯割り
☆ブラー トニック:
ブラーグランソラージュ 45 ml 、トニックウォーター 135 ml 、ライム又はレモンを絞り入れる。
☆ハーバード・クーラー:
カルヴァドスに自家製ザクロ・シロップを入れ、レモン・ジュースにソーダを加えてシェイクする。スッキリと爽やかなリンゴの香りが広がり、初心者や女性には最適のカクテルと思われる。
ジャック・イン・ザ・ボックス:
カルヴァドスとザクロにパイナップル、レモン、ビターのリキュールを加えた“ジャック・イン・ザ・ボックス”をオーダー。その名の通り“ビックリ箱”をひっくり返したようなカラフルな味の変化が鮮烈である。
☆ジャックローズ:
カルヴァドス+ザクロ+ライムをシェイク。喉が、舌が、スキーンとして、カルヴァドスの魅力の入り口を開けた気分。
☆ノルマンディコーヒー:
砂糖、ホットコーヒー、生クリーム

★ブラー グランソラージュが安くてコストパフォーマンスがよく、取扱店も多いらしい。1ランク高価なのが、ブラーXO、アドリアン・カミュほかいろいろ。シャトーブルイユ・カスクストレングスが高いが評判がいい。

ハーゲンダッツのバニラアイスをスプーン3杯程盛り付け、ビターチョコを差してカルヴァドスをかけて・・・



ノルマンディー料理の特徴はバターや、生クリームを使ってこってり仕上げることなので、たしかに胃にもたれる。しかし、それだからといっておいしそうなものを食べる楽しみを諦めてたまるものか、そんなエピキュリアン精神からうまれたのが、「ノルマンディーの穴」かもしれない。現在は、カルヴァドス風味のリンゴのシャーベットなどが代わりにでてくることのほうが多い。

ブリア=サヴァランと並んでガストロノミーの第一人者として知られているグリモー・ド・ラ・レニエールGrimod de la Reyniere(1758-1838)は、食事の際の酒の飲み方について次のような三段階に分けている。

食前の一杯:大きめのグラスに一杯のアプサント、ヴェルモット、ラム、オー・ドゥ・ヴィー(ブランデー、ウィスキーなどの)蒸溜酒。

スープ後の一杯:スープやポタージュのあとのグラス半分ほどのワイン。現在では南仏地方の習慣と思われているが、以前はフランス全体での習慣だったという。

真ん中の一杯:これが「ノルマンディーの穴」にあたる。冷前菜の後、ロチ、魚介類、野菜、アントルメの前にあたる。カルヴァドス、パンチ、マラスキーヌ、ラムなどを飲む。昔ながらの「ノルマンディーの穴」を継承し続けている人々がいる。
「少しだけ、しかし正しく飲もう」
を、モットーとする、Confrerie des chevaliers du Trou Normand(トルゥー・ノルマン騎士団)だ。良質のシードルやカルヴァドスを広めることを目的としているだけではなく、伝統に沿った「ノルマンディーの穴」の儀式を実践し続けている協会だ。

カルヴァドス風味のリンゴのシャーベットを代わりに食べるようなことを邪道とする騎士団で、かれらによれば、その儀式は26段階に分かれるそうだ。

グラスをもって起立。まずは視覚を総動員してカルヴァドスが澄んでいるかを見る。色が明る過ぎず濃過ぎもしない5、6年ものがいちばん飲み頃だそうだ。

次は嗅覚、香り高さを吟味。それから唇を湿らせる。そして一口だけ飲むのだが、そのときにグラスの上の部分に溜まっているエーテルも同時に味わう。それから一気に飲み干す。この動作に従えば、アルコールが40度のカルヴァドスでも頭がクラクラすることはなく、食欲は衰えず、余裕をもって次の料理に舌鼓を打つことができるそうだ。

カルヴァドスは基本的には食後酒として飲まれることが多いようだが、3年くらいの若いカルヴァドスは味が軽いので、比較的食前酒に合う。
「ノルマンディでは“トゥルー・ノルマン”といって、食事中の魚と、肉との間の口直しとして、カルヴァドスを飲む習慣があります」

もちろんカクテルのベースにもなるので、今夜は、カクテルってのはどうかな? ともすると、カクテルのB&Bをオーダーすると、マスターが、
「せっかくだからB&Cにしませんか」
B&B のBは、ブランデー。それをB&C、すなわちカルヴァドスに変えてしまうというのだ。聞けばベネディクティンもカルヴァドスも生まれは同じノルマンディー地方。出身が同じだから絶妙なバランスになるらしい。

1997年は、新しいアペラシオンとして”ドムフロンテ”というカルバドスの新しい地域が認められた。やはりそれよりも好みの造り手を見つけて、場所による違いや、生産された年、熟成にかけられた年数などを比べながら飲んでいくのが楽しい。

フランスには、約100箇所のカルヴァドス蒸溜所があり、色々とブレンドした銘柄は、400種類に上るという。カルヴァドスの魅力を「麦から造るウィスキーにはない芳醇な香りと、味の深みと変化」と表現する。

カルヴァドスに合うツマミとしては、牡蠣やカマンベール・チーズなどが挙げられるが、お薦めは、自家製レーズン・バターである。口の中で、リンゴ、レーズン、バターの味が混じり合い、スーッと喉を伝わってゆく。

まずは、1988年物の“ミッシェル・ルワード”から。軽く口に含むと、ジーンと一種のシビレのような快感が広がる。喉がジリリーンと音を立てたら、もう止まりません、堪りません。身体中に新鮮な空気が送り込まれた気分で、更にもう一杯。コニャックなど葡萄系の酔いとはまた異なり、気分が高揚してゆくようだ。

「眠っていた酒を、生き返らせる。火を点けることで、元の香りのの10倍以上、香りが、引き立つ」
最初に微量のカルヴァドスをグラスに注ぎ、火を点けて燃やすのである。美しい青白い炎こそが、真の美味しさを引き出す。グラス中に香りを充満させて、その酒は捨てて、そこに新しいカルヴァドスを注ぐのである。

まずは、ひと口、口に含むと、カルヴァドス特有の風味が、スーッとあたかも音を立てるように、口から鼻へと突き抜けてゆく。この香ばしさこそ、カルヴァドスの醍醐味である。
「20年以上のカルヴァドスは、リンゴのパイのような少し甘く、深い香りを持っているが、こうすることで、最高の状態の味と香りを引き出す」

濃く凝縮した香りが、喉の奥へとジーンと染み込んでゆく。グラスを傾けながら、過去を思い、未来を想う。ユックリとユッタリと、豊潤な時間が過ぎて行く。一日の最後を締めくくるに相応しい、オトナの瞬間であり、空間である。



■カルヴァドス・ジンジャー
カルヴァドスの著名な作り手も公認するこの飲み方は、バーで楽しめるハイボール。フレッシュなリンゴを思わせる豊かなの香りは、ジンジャーエールとよく調和して爽快で喉越し豊か。

生姜の風味が強すぎないジンジャーエールと合わせるのもポイント。お好みでレモンやライムを絞り入れると更に爽快に。レモンや砂糖で調整し、炭酸で割った「ハーバード・クーラー」も秀逸で、バーとカクテルを愛する人たちに人気のロングドリンク。

調合方法: ビルド グラス: コリンズグラス ※お好みでレモンやライムを絞る

さて、シードルはリンゴの果汁を発酵させてつくったアルコール飲料。アルコール度数は5~6度。それを蒸留したものが、カルヴァドスになる。その起源は、6世紀頃に遡るといいます。フランスのシードルは、主に、リンゴの栽培に適した風土を持つノルマンディー地方と、ブルターニュ地方がニ大産地となっている。

リンゴ酒とも。果実酒の一種。リンゴの果実を圧搾,その汁を発酵させてつくる。炭酸ガスを吹きこんだ発泡(はっぽう)酒もある。アルコール分5%前後。英語ではサイダーというが,日本の清涼飲料水サイダーとは別物。

ブルターニュ地方では、葡萄の栽培が出来ないために、ワインにかわる特産品が、リンゴからつくられるシードル。ワイン同様大量生産の粗悪品から、素晴らしい味わいの高級品までさまざま。

シードルの甘口では、アルコール度数3%にも満たず、辛口では若干高くなりる。高品質のシードルは、シャンペンと同じようにボトルで売られている。(「シードル・ブシェ」)「キール・ノルマン」は、シードルをカシス・クリームで割って作る食前酒。

その他; ドンフロンテのポワレ
オルヌという地域(Basse-Normandieバス・ノルマンディー地方)にあるカルヴァドスの銘醸地ドンフランテは、梨のシードル(ポワレ)で有名。ポワレとは梨の果汁を発酵させて作ったアルコール飲料で、その製法はシードルによく似ている。シードル同様、アルコール度数は低く、最も高いものでも8.5%ほど。梨は、ノルマンディー地方で最も古くから生えている木だ。

ノルマンディーのポモー酒
ポモー酒は、しぼりたてのリンゴの果汁とリンゴのブランデー、65度の(カルヴァドス)を混ぜてつくる、その後、樽で熟成。食前酒。フランス北東部のアルコール飲料です。アルコール度数が約17%になるように、リンゴ果汁とカルヴァドスをブレンド。甘酸っぱさと清冽さが共存する味わい。よく冷やして、ストレート。スクープ・メロンのけずりとった部分にポモーを入れて食べる。フォアグラ、ブルーチーズ。

シードル ヴァル・ド・ランス 甘口
シードル用の果樹園で育てられた、ブルターニュ産りんご100%果汁よりつくられている。40種類以上ものりんごをブレンドしているので、深い味わいと、安定した品質が保証されている。

しかも一番しぼりのフレッシュな果汁のみを使用し、濃縮還元果汁や砂糖、ガスなどは一切加えられていない、天然のおいしさのままのシードル。 リンゴのほのかな甘さを残して仕上げてるすので、アルコール度はわずかに2%のみ。甘さはすっきりとしていて、食事との相性も良い、そのまま喉の渇きをいやすために飲んでも充分オシャレな飲みもの。パリ農作物品評会銀賞受賞 。

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