カリラ

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Caol Ila(カリラ)

アイラ島、最大の蒸溜所

カリラ蒸溜所は、ヘクター・ヘンダーソンによって1846年設立された。何度か買収、閉鎖、再稼働を繰り返した後、1970年代に老朽化した蒸留所の改装工事をおこない、ポットスチルが6基に増設され、飲ん兵衛の天国・アイラ島らしく最大規模を誇る蒸留所に生まれ変わった。

それを境に、カリラはポートエレンで収穫した麦芽を購入するようになった。一部マニアは、それ以前の重厚なカリラと、軽やかでスモーキーなシンプルなカリラを区別するようになる。

オフィシアルボトルとしてリリースされたのは、それまで「花と動物シリーズ」と、「レアモルト」の限定品だけであったのが、2002年の「ヒドゥンモルトシリーズ」から、大きく変わった。このとき、3種の、12年、18年、そしてカスク・ストレングスが同時に発売されたのだ。その一方で、アンビーテッドのボトルはスペシアル・リリースとして、毎年発売されている。

もともとカリラはジョニー・ウォーカーなどの原酒として、生産量の95%以上がブレンド用でシングルモルトは2−3%程度であった。
「カリラという名の蒸溜所は、正確には「クル・イーラ」と発音される。それは、「アイラの海峡」を意味する。ゲール語では、「caol」より「kyle」というほうが一般的である」
と、蒸溜所名について、マイケル・ジャクソンは述べている。ついで、
「蒸溜所の背後にはフクシア、ジギタリス、野ばらに覆われた丘が迫り、その丘は蒸溜所の仕込み水を引いているピーティな湖に向かってそびえている。その水はきわめて塩辛く、ミネラルを含み、石灰岩からわきでたものである」
蒸留所の近くにあるロッホ・ナム・バン湖から浸み出した湧水を使い、ピートの地層で濾過された湧水のため水自体にピート感を含んでいるのが特徴。

仕込みはワンパッチ麦芽13トンと巨大。マッシュタンは最新鋭のフルロイタータンで、得られる麦汁は約5万8000リットル、これを発酵槽に移す。発酵槽はオレゴンパイン制8基、ステンレス制2基の計10基。酵母はマウリのリキッドイーストで、それぞれ300リットルを添加。発酵時間はショート55時間、ロング120時間と2通りあって、それぞれを使い分けている。モロミの度数は、8〜10%程度だ。

発酵もろみをストレートヘッドのポットスチルで蒸留。初留3基、再留3基の計6基。じつに壮観だ。冷却水には海水を利用しており、蒸留所で海水を使っているのはスコットランドでもカリラだけ。

ただ、仕込みの3割近くを、ブレンド用としてノンビートの麦芽で仕込んでいる。また、カリラはアイラ島で熟成させず、タンクローリーで本土に運び、そこで熟成・瓶詰めさせている。カリラは、ブレンデッド・ウィスキーづくりに必要なアイラ独特のビーテッド・キー・モルトを生産し、また、ハイランド・スタイルのモルトも生産可能であったことだ。

1997年にギネス社とグランド・メトロポリタン社が合併してディアジオ社が誕生し、その傘下に入った。

『12年』; サウンド・オブ・アイラと呼ばれる。シンプルではあるが、ハード。香りの華やかさはない。しかし、スパイシーな味わい、余韻は長い。

『18年』; アイラの至宝。フルボディ。味わいは、スパイシー。

■■飲酒は20歳になってから。飲酒運転は法律で禁止されています。お酒は楽しくほどほどに。